肉離れの症状・鍼灸治療について
痛みの緩和そして再発予防をしていきましょう
肉離れとは
肉離れとは、文字通り筋肉の断裂をいいます。筋肉の損傷で、自分の筋力の急激な収縮などにより発生します。筋肉の損傷には、微少断裂、部分断裂、完全断裂などがあり損傷の大きさによりⅠ~Ⅲ度に分類されます。肉離れと呼ばれるものは多くはⅠ度の損傷です。ちなみに直接力が加わったものは打撲(うちみ)となります。軽度のものの治療は肉離れに準じます。
肉離れの症状
急に運動したり、ダッシュしたり、急に止まったりと大きな力が働くときに激痛を伴って損傷することが多いです。また筋肉の柔軟性や準備体操などが充分でないときに起こりやすいです。ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)や、ももの表(大腿四頭筋)、裏(ハムストリングス)などに発生しやすいです。損傷時は体重を乗せると痛かったり、筋肉がつったような感覚があります。
肉離れの鍼灸治療
基本的にケガですから、安静、アイシング、患部の挙上、圧迫、固定の基本処置を行います。鍼灸治療を併用すると、鎮痛効果と早期の運動復帰が見込めます。
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- 局所治療
- 痛みのある場所やその周辺に鍼や灸をしていきます。腫れている箇所を囲うように鍼灸を施します。炎症や痛みの程度、損傷部位によって治療点は変わりますが、損傷した筋肉を緩めるように鍼灸をします。鍼に電気を通したり、炎症を抑えるツボなどを刺激したりします。
- 全身治療
- 筋肉に関するものは、東洋医学では肝経や脾経などが大きく関わっているので、肝と脾の治療をします。またケガをすると於血(おけつ)症と呼ばれる状態になり、身体の回復能力が低下するので自然治癒能力を高める治療をします。
肉離れの主なツボ
大椎 | 発熱、かぜの症状、背中のこりなど。熱の気の調節を行うツボ。 |
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手三里 | 胃腸、上肢、目の症状、テニス肘。肩こり、寝違えを和らげる。鼻炎や蓄膿症などの鼻症状、皮膚症状、便秘の緩和。 |
合谷 | 顔の症状、目の症状、全身の気を調節するときも使用します。他に貧血を回復させる返し鍼に使われる。 |
肝兪 | 目の充血、眼精疲労、めまい、イライラ、飲み過ぎ。 |
脾兪 | 胃腸の症状、食欲不振、むくみ。 |
腎兪 | 腰足の重さ、腰痛、泌尿器の症状、むくみ、耳の症状、足の冷え。 |
三陰交 | 消化器のほか、女性疾患の特効穴。冷え症状、婦人科症状(月経不順、更年期障害など)を調節。 |
太谿 | のどの痛み、耳鳴り、不眠、腰背中の痛み、頭痛、めまい。腎の症状に対して有効。 |
崑崙 | 頭痛、首の痛み、肩背中の引きつれ、腰痛、足首の痛み、膀胱経の症状がでやすい。足の疲れやむくみ、下痢にも有用。 |
大衝 | 頭痛、めまい、吐き気、目の充血、婦人科の症状、排尿問題。血の滞りを改善するのに有効なツボ。生理痛にも特に有効。 |
労宮 | 胸の苦しさ。指圧でも効果がある。 |
血海 | 婦人科の症状、血の滞りを良くするツボ。 |
委中 | 腰足の痛み、ギックリ腰の時にも有効です。足のむくみ、背骨の際、頭部の痛みやこりにも有効。 |
承山 | 足の痛み、腰痛。 |
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